株式会社 JMC(東証グロース5704)

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会社の特徴

3Dプリンター出力事業を前面に押し出していますが、実は非鉄金属の精密砂型鋳造が一番の売り上げの会社です。隠れた日本電産関連銘柄でもあります。

株価の傾向

2020年は460円/株(03/17)から1304円/株(01/22)まで変動していて、最近は700~900円で変動しています。株式の売買単位は100株だから比較的手軽に買える株式だと思います。2016年の上場以来、配当を出していないので長期保有には向かず、変動を利用した短期売買に向いていると思います。

第28期の有価証券報告書株式からの企業分析

主力事業の動向

セグメント別の売上高の61%は鋳造部門が稼ぎ出しています。会社の業績は鋳造部門の動向によって左右されやすいと言えます。

部門売上高(百万円)利益(百万円)売上高利益率(%)
3Dプリンター出力55711220%
鋳造1,73547627%
CT51822443%
合計2,80981229%

試作・開発市場の環境変化に翻弄され、当事業年度の業績は大変厳しいものになりました。特に自動車産業界への依存度が高い鋳造事業における業績の浮沈が著しく、売上高の伸張の鈍化が全社営業利益低下の主因となりました。

株式会社JMC 第28期 有価証券報告書 Page.20

大黒柱の鋳造事業は、安定した売り上げを見込める量産部品の製造ではなく、試作部品の製造で売り上げを立てているようです。自動車業界は、共通プラットフォーム化(Toyota New Global Architecture(TNGA)のような)により、試作・開発自体が減っていくので、今後は自動車業界以外の拡大が必要です。

2015年に取得したJISQ9100認証の取得と、自動車・産業機械・船舶などの試作品製造で培われた鋳造技術を活かし、航空宇宙分野へ本格参入すべく、生産管理・品質保証体制の強化に努めてまいります。

株式会社JMC 第28期 有価証券報告書 Page.14

自動車業界以外で、試作・開発の市場があるであろう航空宇宙分野に進出しようとしています。航空業界は自動車業界よりも、高い品質レベルを要求するので、展伸材のブロックからの削り出し品が多いです。JMCの鋳造部門は砂型鋳造が主です。砂型鋳造で懸念される鋳巣欠陥による強度と靭性低下をどのように克服して、どう航空業界に入り込むのかが、有価証券報告書からは読み取れませんでした。

主要取引先

有価証券報告書の「主要な顧客ごとの情報」から、鋳造部門の主要顧客は日本電産株式会社であることがわかります。その売り上げは鋳造部門の売り上げの約3分の1の677百万円と大きいです。その前の年が390百万円だったので、おそらく鋳造部門の売り上げ増加は、日本電産の発注増の寄与が大きいと思われます。日本電産はトラクションモーター「E-Axle」の開発を急ピッチで進めているので、ハウジングの試作需要があったのだと思います。日本電産から2023年までの開発ロードマップが公表されているので、少なくともその1年前ぐらいまでは試作が続くと思います。

有価証券報告書の「主な資産及び負債の内容」の流動資産にある「東成エレクトロビーム株式会社、ニプロ株式会社、スズキ株式会社、ヤマハ発動機株式会社、山下ゴム株式会社、株式会社ツチヨシ産業、日本メドトロニック株式会社、トーハツマリーン株式会社、タマチ工業株式会社」は、日本電産以外の取引先だと思います。

気になるのは「東成エレクトロビーム株式会社」。東成エレクトロビーム株式会社もCTスキャンサービスを行っているので、CT事業はここの仕事が一部流れている可能性があります。

役員報酬

取締役は4人いて報酬総額は101百万円(25百万円/人)、社外取締役は1人いて報酬総額は2.7百万円(2.7百万円/人)、社外監査役は3人いて報酬総額は12.5百万円(4.1百万円/人)で売り上げに対して、報酬が高いという印象はありませんでした。

将来性

トヨタ、日産、ホンダ等の自動車会社との直接取引は、スズキのみだからまだ拡大の余地はあります。電気自動車用モーターのハウジングはアルミ鋳物製だから、アルミ砂型鋳造の試作の需要はまだあると思います。日本電産との取引拡大は、EV(電気自動車)化の流れだと思います。エンジン関連の開発は、縮小傾向にあるのでエンジンマウントの山下ゴム等のエンジン関連部品サプライヤーとの取引は中長期的に縮小傾向になると思います。

EV化の流れに乗って取引先の拡大ができれば業績拡大はできそうです。取引先拡大には知名度の向上が必要です。広告宣伝費を増加させているので、その宣伝が上手くいけば業績拡大が期待できそうです。

JMCは配当金がないので、業績が悪く株価が低いときに株式を買っておいて、決算が好調になるまで持ち続けるという取引スタンスになると思います。

株価

https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=5704.T

このBLOGは、個人のただの見解です。株式売買は自身の判断で行ってください。株式売買により損害を被ったとしても、補償はしません。